研究開発本部
ライフサイエンス研究所 佐伯
安松 良恵

大型発酵槽による連続培養で得られた酵母菌体を当社独自の製法により、まるごと熟成・分解した酵母調味料「アロマウェイ®」の開発メンバーへのインタビューです。

自分にとっての新しい分野をイチから

大学では線虫という、「食」とはあまり関係のない微生物について学びました。縁あってこの会社に入社し、イチから「食」の分野に取り組むことになりました。
この分野の研究は人々の生活に関わることなので、社会に繋がっているという自覚を持ちながら仕事をする事ができます。

「アロマウェイ®」完成までの道のり

「アロマウェイ®」は2011年に開発がスタートし、約6年の歳月をかけて上市を実現しました。当社独自の酵母を用い、新規味質で汎用性があり、かつ価格を抑えた素材をつくれないかというコンセプトで開発がスタートしました。この「アロマウェイ®」の開発担当者として、開発からマーケティング、製品化まで一連の流れを経験させてもらいました。
開発段階では、ひとつ課題がクリアできたらまた次の課題が出てきて、その解決に取り組むという作業の繰り返しでした。最終的に製造工程が決定するまでは、紆余曲折あり、多くの課題に直面しましたが、その都度、研究開発部門はもちろん、生産部門や品質保証部門などの多くのメンバーの知恵や協力を得て作り上げてきました。日々大変なことはありましたが、「製品化」という明確なゴールが描けていたので、頑張ることができたと思います。
製品が完成した後、お客様から様々な反響を聞くことができました。開発に携わる中で、沢山の人と関わりながら進めてきたことが実り大変嬉しく思います。

アイデアが生まれるチームコミュニケーション

研究開発にはチームワークが大切です。小さな事でもコミュニケーションを取り、うまくいかなかったらすぐに相談。チームのメンバーのおもしろい考えから気づきをもらうことも沢山あります。「こんな風にやってみたらどうかな?」、とか、「こんな考えができるのでは?」と先輩・後輩関係なく、チーム間で声を掛け合うことが多いですね。
また、最近のトピックスやキーワードについて、話すこともあります。日頃からよくコミュニケーションを取り、お互いに支え合うチーム環境で、メンバーに恵まれていると感じます。

自らの殻を打ち破りながら進める研究開発

自分の仕事の先にはお客様がいるということを常に意識して仕事に取り組むよう心掛けています。直接お客様と対面して、試作品のご評価やご要望などを伺う機会もあり、期待に応えなくてはと気合いが入ります。
また、開発が進み製品としての形が見え始めると、社内の連携がより一層重要となってきます。関連各部署との、報告・連絡・相談を確実に行い、計画的に仕事に取り組むことが大切です。
目標達成のために自分ができる事は何か、やるべきことは何かを自問自答しながら、自己満足な仕事にならないように、日々研鑽に励みたいと思います。

日々研究をつづけ、これまでになかった製品づくりへ

私たちは自然に恵まれた環境の中で研究をしています。そうした環境のなか、酵母や他の微生物を使って、どんな面白い調味料ができるかと日々研究を続けています。
様々なコンセプトで開発テーマを設定し、試作品をつくる。そしてお客様のところへお持ちし、評価を伺う。「もう少し酵母臭を少なくした方が良い」とか、「うま味があった方が良い」といった率直なコメントをお客様から頂くケースもあります。課題やご要望をクリアできるように、「検討」、「試作」、「試作サンプルの評価」を繰り返し、足りないところが見つかれば、工夫すべき工程に手を加え、再度つくったものを評価。
評価項目の一つとしては味質を判断する官能評価があります。官能評価はチームのみんなで行い、あれこれと意見を出し合いながら進めていきます。こうした評価を行う工程は、製品づくりの軸となる大事なポイントです。
お客様が抱かれている当社のイメージを良い意味で覆すことができるような、これまでになかった製品づくりに携われればと考える毎日です。